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マドレーヌ諸島とは

カナダ東部のセントローレンス湾に浮かぶ、12の島から成るマドレーヌ諸島。砂州でつながる6つの島で成り立っており、石垣島より少し小さいくらいの島に、約1万3千人が漁業などを営み、暮らしています。それぞれの島へはハイウェイ199を使って行き来することができます。ケベック州に含まれており、公用語はフランス語です。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

マドレーヌ諸島への行き方

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

マドレーヌ諸島へ行くにはプリンス・エドワード島など近隣の島からの船便もあります。
日本からだと成田からモントリオールまで13時間、モントリオールからケベックシティまで50分、ケベックシティからガスペを経由し3時間半でマドレーヌ諸島に到着します。モントリオールで1泊するのが一般的です。


タテゴトアザラシの赤ちゃんに会いに行く

夏になるとロングビーチでの海水浴を楽しみに北米の観光客が集まりますが、冬にはタテゴトアザラシ(ハープシール)の赤ちゃんを一目見ようと、世界中から観光客や第一線で活躍するプロの写真家やメディアが集まってきます。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

毎年2月下旬から3月上旬まで、約25万頭のタテゴトアザラシがセントローレンス湾の流氷の上にやってきます。この場所はホッキョクグマやシャチなどの天敵がいないので、安心して出産と子育てができるからです。
ここへ行くツアーを唯一催行してるホテルが「シャトー・マドリノ」。宿泊(3泊から)と1日3食の食事に加え、1回のタテゴトアザラシ・ウォッチングツアー参加と防寒着のレンタル、島内ガイドツアーやスノーアクティビティ用品のレンタルまで含めた「オール・インクルーシブ」なので安心です。ウォッチングツアーは追加申込みもできます。


流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

タテゴトアザラシに会いに行くまで

タテゴトアザラシには、ヘリコプターに乗って会いに行きます。ホテルの裏にヘリコプターが止まります。敷地内には4台のヘリコプターがあり、上空からアザラシのコロニーを探して流氷に上陸します。このツアーを行っているところは、世界でここしかありません!小原さんという日本人ガイドもいるので安心です。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

離陸から1時間ほどでふんわりと漂っていた流氷の密度がだんだんと濃くなり、その上に転々と黒い影が見えてきます。大人のアザラシたちです。ヘリコプターを警戒して、カラスのようなブタのような鳴き声を上げています。パイロットは降りられそうな流氷を見極めて、ヘリコプターを着地させてくれます。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

陸から100キロほど、セントローレンス湾の真ん中あたりに降りました。
どんなにしっかりしているように見えても、流氷は大地ではなく、流れてきた氷の寄せ集め。積雪で隠れている場所に氷の境目があって、海の中に落ちる、というのはよくある事故らしいです。ストックで足元を確認しながら歩いて行きます。

もしも海に落ちても、オレンジの救命スーツは水に浮くので大丈夫!

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

出会ったのは「ホワイトコート」の赤ちゃん

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

流氷上での滞在時間は約1時間。最初に出会ったアザラシの親子。
アザラシの赤ちゃんは、お母さんの高栄養なお乳を飲み、毎日2キログラム以上成長しています。なので日々姿が変わっていきます。生後3日のうちはお母さんの羊水の色で毛並みが黄色がかっている「イエローコート」、やがて色が抜け真っ白な毛並みの「ホワイトコート」になります。ホワイトコートも最初の1週間はほっそりしていますが、生後10日にもなると丸々と太り首がどこにあるかも分からない姿になります。この頃からお母さんに促されて泳ぎを教わるようになるものの、生後2週間でお母さんは海へ戻り、取り残された赤ちゃんはここでサバイバルをすることになります。やがて白い毛が抜けはじめた「ラグジャケット」から、すっかり白い毛が抜けた「ビーター」となって、流氷が小さくなり、大海原へ独り立ちしていきます。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

転がって遊んでいる赤ちゃんを発見。毛皮の黄色味は抜けているが、まだへその緒がついていました。
真っ白い流氷の上には、洗い流されることのない真っ赤な胎盤が。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

声を上げてお母さんを探している赤ちゃん。歯はまだない。
真っ黒な目はまん丸で、ふわふわの白い毛と相まってまるでぬいぐるみのよう!
一方で、はうようにして歩く前ひれについた爪は鋭く、野生動物なのだと実感します。あまり目は見えないそうで、母親かと思って人間に近づくものの、においでそうではないと気がつくと慌てて逃げていく。のどを絞るようにグアーグアーと鳴いてお母さんを呼ぶ。大きく開いた口にはまだ歯も生えてない。
驚かせないように、怖がらせないように、ゆっくりとほふく前進で近づきます。

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

毛並みや目の表情など、赤ちゃんの顔つきにも個性があります

流氷の上で、アザラシの赤ちゃんに会った! カナダ・マドレーヌ諸島

どこまでも続く流氷が、アザラシの赤ちゃんを守ります。


カナダ・ケベック州観光局
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